京都国立近代美術館に行ってきた。上村松園は、高校の時に年賀状の素材として画集を買ったことがあったが、上村松園が有名な画家であるという認識はなかったし、どんな画家であったのかと思いをはせることも、その当時はなかった。
しかし、ひょんなことから知りあった竹田朋子さんが「青眉の人」という舞台で「上村松園」を演じることになり、そのお芝居を拝見して「上村松園」の一生を知った。いや、心に刻みつけられたというほうが正しいかもしれない。
今まで屏風に描かれたような日本画で心を動かされたことはほとんどなかったが、今日はその美しさに圧倒された。まず女性の顔立ち、体のライン、しぐさ、どれもが美しい。また、どれひとつとして同じ柄の着物はなく、模様や色合いが絶妙で気品さえ感じる。
その中で特に気になったのが、下の作品である。本物はもっと色合いははっきりとしているので、申し訳ないが…。
一枚目は「吹雪美人図」。強い風に着物の下の方がはためいている。その着物や長襦袢のラインやら色合いがなまめかしくて美しく感じた。松園36歳の時の作品。
二枚目は「梅下佳人」。49歳の時の作品。これには一番しびれてしまい、しばらくこの前に佇んでいた。ものすごく色気と気品を感じるのだが…。
三枚目は「青眉」。59歳の時の作品。母親の幼い頃の姿を描いたものだ。顔の表情がとても可愛らしいのだ。それに緑色の傘の内側と着物の色の組み合わせが美しい。
もちろん、これ以外にも素晴らしいのはたくさんあって、別の日に行けばまた他の作品が好きになるかもしれない。とても贅沢な展覧会だったと思う。