屋上のペーパームーン

ばりばり大阪弁だらけの犯罪コメディ!と表現したら、なんかダサイから、やっぱりピカレスクロマンか。でも、ロマンって小説って言う意味らしいから、ちょっと違うか。ま、どうでもええや。

1973年の未解決「大阪ニセ夜間金庫事件」がモデルの芝居。いつも上品な芝居ばかり観ているから(笑)、今回はのっけから、そのあまりにもヤクザで、ちょっとアホなアウトローたちの出現に、劇場の空気がぎゅっと少なくなり、息苦しくなった気がした。それぞれの役者さんの個性が強烈で、特に戎屋海老さん演じるフトマキのちゃらんぽらんで体弱そうな感じが、ハマってしまった。「山の声」の加藤丈太郎との落差に痛く感心する。

初演は、本当にビルの屋上で上演されたらしい。観たかったなぁ。想像しただけでも、どきどきする。

今から40数年前の犯罪って、監視カメラなどほとんどなかったから、ちょっと頭が良かったらやりたい放題やったかもと思う。なんせ、この事件、ハリボテの金庫に皆さん、お金を入れたんやから。計算あやまって、たくさん集まりすぎたらから、底が抜けてしまって発覚したんやし。なんか滑稽で笑ってしまうような犯罪や。もっとも、これがうまく成功してて、お金を預けた人が泣き寝入りして、人生どん底に落ちてしまっていたら、笑い事ちゃうけど。でも、なんか、抜け穴だらけの、ゆったりとした、ほっとしたものを感じるのは、僕だけやろうか。今の時代は、もうなんかすべてがデジタルになってしまって、生きづらいよなぁ。

「この先、世界はジワジワ崩壊していくだけや。それやったら、ここに居って、ここでケンカするんが真っ当やろ。そうは思えへんかイナリ?」