振って、振られて 2017秋

九条にある「座・九条」で「振って、振られて」という芝居を観てきた。

近未来の話で、第3次憲法改正(第1次:自衛隊の9条への明記および緊急事態条項追加、第2次:9条2項の変更)が行われ、ついに97条をはじめ10条から40条までの基本的人権の大幅改悪が行われた。これまで反対運動をおこなってきたN大学救助の林典子もついに国外へ脱出することになり、書類の整理をしているところへ、改憲派の椿が部屋にやってくる。そして…。

この戯曲は、くるみざわしんさんが、10数年ほど前、アイホールの想流私塾の塾生だった頃に、北村想さんが出した課題「日本国憲法」で、2000字の作品として書き上げたのが最初だったらしい。その後、書き足されて1時間程に膨らまし、戯曲賞にもノミネートされた作品だ。

 前説で作家のくるみざわさんが「面白いところは笑ってくださいね」と仰ったが、確かに改憲派の椿は、笑える人物として設定されてはいるが、僕は笑えなかった。もしかしたら10年前なら笑える余裕はあったかもしれないが、もう、この戯曲に描かれている世界は目前に迫っているので、息苦しくて、泣きたいくらいだ。椿のように無邪気に改憲を喜んだり、日の丸を掲げることにうっとりするような人たちは、実際にいる。

ほんとバッカみたいな世の中になってしまった。まるで、昔、筒井康隆や星新一が描いたかもしれないようなバカバカしい未来がやってきている。

最後にくるみざわさんが、声をかけてくれればどこでも上演しますと仰っていた。多くの方に観て頂きたい作品だ。何処かで上演しませんか?