ブラボー!小出先生!

京大原子炉研究所の小出裕章先生のお話を淀屋橋の浪花教会で聞いてきました。小出先生のお話は何度も聞いても、心を打たれるものがあります。それは、きっと信念の人だからだと思います。

「原子力は即刻やめなさい。」という立場を貫かれています。その立場は、反政府的であるので、研究者としてはとても不利なものになってしまいま す。おそらくとても不自由な苦しい環境で研究を続けてこられたことだと想像されます。それでも、反原子力の為には、手弁当ででも日本各地を訪れ講演をされ ています。小出先生の話は素人にもわかるようにとても丁寧にそして色んな裏付けを元に理論的にお話をされるので、一度聞いたら、ほとんどの方は納得のいく ものになると思います。

何故、小出先生は原子力に反対なのか?

それは原子力から排出される低レベル放射性廃物が300年、高レベル放射性廃物が100万年、放射線を出し続けるからです。

日本の低レベル放射性廃物は2009年ですでにドラム缶に150万本溜まっています。また核分裂生成物(死の灰)の総量は広島原爆の110万発分 を超えているそうです。それらを、300年から100万年、誰が責任を持って管理できるのでしょうか?いくら地中に深く埋めようが、何万年も隔離できるで しょうか?しかも即刻原子力をやめなければ、廃物は増え続けるばかりでどうしようもなくなるのです。

また、「原子力発電はCO2を排出しない」というのは、全くでたらめで、最近「発電時にはCO2を排出しない」という表現に変わってきたけれど も、もっと正しくは「ウランの核分裂反応は二酸化炭素を出さない」と言うべきです。原子力発電は、周りの海水温度を7度上昇させる「海温め装置」なので す。そして、二酸化炭素が気温を上昇させているのではなく、気温があがることによって二酸化炭素が増えているのであって、地球温暖化の原因を二酸化炭素に するのは、間違っています。

日本の全ての原子力発電を一斉にストップさせても、今ある水力、火力発電などで電気はまかなえます。計算をすると過去に真夏の真昼のほんの数時間だけ足らなくなる瞬間があったそうですが、計画的に使用すればコントロールできる範囲です。

何よりも大事なことは、日本を含め「先進国」と呼ばれる国々が、エネルギー消費社会を改めることなのです。ひとりひとりが生き方を根本的に考え直していかなければ、開けてしまったパンドラの箱を閉じることはできないでしょう。

小出先生は講演の最後に、足尾鉱毒事件を告発した田中正造の話をされました。小出先生は田中正造には深い思い入れがあるようで、研究室を訪れた友 人は、田中正造の写真が貼られていたと言っていました。田中正造は鉱毒事件で谷中村を救おうとして政府と闘った人でした。最期に倒れた時には無一文で、彼 の風呂敷には渡良瀬川の小石が一個と聖書が入っていただけだったそうです。そんな話を声を詰まらせながら、お話されていました。田中正造と小出先生の姿が 重ね合わさったように僕は感じました。

すでにどうしようもないくらいの放射性廃物が出来てしまっていることを、これからの世代の人に遺してしまうのは、とても残念なことで謝りたいと おっしゃっていました。そしてこのことを若い世代に伝えていきたいので、特に子供たちのいるところだったら、地獄でも何処でもかけつけて話をするとおっ しゃっていました。

ブラボー!小出先生!