ロラたちに正義を!

ナルシサさんのお父さんは、ゲリラをかくまったという疑いをかけられて、日本軍に銃剣で皮膚をはがされる。そのお父さんを助けようと棒を持って立ち向かった幼い弟と妹もその場で銃剣で刺殺される。そしてナルシサさんは姉と一緒に駐屯場へ連行され、テラサキという日本兵に強姦される。ナルシサさんが10歳の時の出来事だ。

アナスタシアさんは兵士だった夫と共に日本の憲兵隊に捕まった。夫は拷問で顔を引き裂かれ、殺害される。アナスタシアさんは要塞に半年間閉じ込められ、一日六人の日本兵に輪姦された。

ピラールさんは、ゲリラの疑いで日本兵に捕まり、返事をしなかったため頬にタバコを押し付けられたり、耳を切られたりした。今でもタバコの痕と切り落とされた痕がくっきりと残っている。

他にも日本兵の歓迎会を開いた小学校で、先生から日本兵について行きなさいと指示され、そのまま監禁されて強姦されたりなど、様々な証言が映し出される。

「カタロゥガン!ロラたちに正義を!」(2011年、監督:竹見智恵子、編集:中井信介)という映画を、昨日観た。「ロラ」とフィリピン語で「おばあちゃん」という意味だそうだ。

フィリピンでは日本兵による性暴力の被害にあったと名乗り出た女性たちは400名ほど。実際に被害にあった女性はその何倍にもなると言われている。90年代、被害女性たちは日本政府相手に謝罪と補償を求める闘いを開始したが、日本政府は、わずかなチャリティ・マネー(アジア女性基金)で責任を回避し、今も問題は解決していない。ロラたちはこのままでは自分たちいの正義は回復されないと、80才を過ぎた今も街頭デモに参加し、闘い続けている。

映画を観ながら、男と言う性、残虐性をむき出しにさせられる戦争に嫌悪、悲痛、絶望感が渦巻き、吐き気さえ催した。しかしながら、自分が当事者の兵隊であれば、それを回避できただろうかと思うと、男であることも辞めたくなる。戦争の実相はこんなもんであろう。

今日、野田はヒロシマで「非核三原則を堅持する」と言ったが、「武器輸出三原則はすでに緩和されているし、原子力基本法も改悪され「我が国の安全保障に資すること」というどうにでも解釈できるような文言が基本方針に盛り込まれている。徴兵制を復活すべきだという著名人や政治家もちょろちょろ出てきている。オスプレイは日本全国の上空で飛行訓練が行われそうだし、沖縄から基地が消えそうもない。その上、大阪で基本的人権が侵害されているような条例が次々と施行されている。戦争の臭いがプンプンするではないか。一歩でも半歩でもそこから遠ざかるためにも、このような映画はもっと見られるべきで、ロラたちにきちんと謝罪ができるような日本にしていきたい。