「フリージャーナリストです。日本語で言えば無職です。」

報道されなかったイラク戦争 (西谷文和の「戦争あかん」シリーズ)
報道されなかったイラク戦争 (西谷文和の「戦争あかん」シリーズ)
西谷 文和

「フリージャーナリストです。日本語で言えば無職です。」
と西谷文和さんの自己紹介から始まったアフガニスタン取材報告会に行ってきた。

西谷さんはイラクには何度も行かれているが、アフガニスタンは今回は二回目だそうだ。

一回目は八年前である。他国のジャーナリストと共にウズベキスタン経由でアフガニスタンに入った時、まるで中世の国に来たように感じたらしい。それは電気もガスもなく、家は泥で出来ていたからである。

アフガニスタンについて間もなく、明け方に震度3ほどの揺れを感じ飛び起きた。しかしそれは地震ではなく「バンカバスター」という爆弾だった。地上に落ちた爆弾はそこで爆発することなく、地下20mほどの深さで初めて爆発する。おそらく弾頭は劣化ウランだろうということだ。ウサーマ・ビン=ラーディンが地下に隠れていることを想定して、そんな爆弾を使ったそうだ。中世で時間が止まったようなアフガニスタンに、そんな最新鋭の武器を使うアメリカ。力の差は歴然としている。またクラスター爆弾の不発弾と、食糧支援でばらまいたリッツの箱が似ているため、間違って不発弾を触ってしまい被害にあった子供たちがたくさんいるという。なんとも無神経なアメリカ。

そして今年六月に二回目の取材を行なってきた。カブールでの映像が流れる。戦争によって障害者になった人たちのデモ行進が行なわれている。その中の一人が言っていた言葉。「アメリカやアフガニスタン政府に援助するのではなく、私たち障害者に直接援助してください。」日本は今までに約2000億円の支援をしているにも関わらず、そのお金は途中で消えていき、映像に出てきた両足を失くした障害者の人には月600円の支給しか出ていないと言う。(ちなみにアフガニスタンの生活費は田舎でも月一万円はかかるらしい。)

赤十字病院には戦争被害者だけでなく、近所の人に銃撃されて負傷した人もよく担ぎ込まれてくる。それは、長引く戦争で、一般市民にまで銃器が出回っている所為である。

カブールの避難民キャンプの映像が流れる。土の上に転がったゴミのようなパン屑。これが彼らの食糧である。これに水をかけて食べている。水道、ガス、電気もなく、狭いテントにすし詰めの状態で暮らしている。衛生状態も非常に悪い。大人も子供もかなり汚れている。この避難民キャンプには、国連の援助もストップされている。それは、このキャンプにタリバンが潜んでいるという理由でだ。イスラムの教えで、収入の10パーセントを寄付しなさいというのがあるが、それによって金持ちからもらったパン屑だけで生活しているのだ。ライス前国務長官の「アフガンの一つや二つ壊してもいい。」と言うような発言から、レバノンであったような虐殺が心配されるということだった。西谷さんは、この時、トラック一台分の食糧を届けたのだが、騒然となり一瞬でなくなったとか。

その他に様々な話を聞くことができた。戦争の民営化、「カーライルグループ」を通じてのブッシュ一家とビン=ラーディン一家の関係や、ブッシュ政権に関わった政治家たちとの関係、(結局は金、金、金じゃ!金儲けの為の戦争じゃ!)、テロとの戦いの中でどれだけのお金を無駄に使ってきたか、湾岸戦争勃発に仕組まれた少女ライラの嘘の発言や演技、イラクでの米兵撤退により自爆テロが増えたというマスコミの嘘(スンニ派VSシーア派の自爆テロ合戦はアメリカが仕組んだ!?)、イラク戦争に関わったことを総括せよと国会へ西谷さんが行き、イラクの劣化ウランの被害者の映像などを持って面会を求めたが、見に来たのは社民党と共産党だけだったとか、劣化ウランの問題をマスコミが取り上げないのは原子力発電やアメリカが絡むからだとか・・・興味深い話をたくさん聞くことができた。

とにかく道理がないこの戦争は、泥沼になっていくだろうとの西谷さんの見解だった。
そして、いったいどれだけの無実の民間人がこれからも殺されていくのだろう・・・。

昨日はイラク、そして今日はアフガンの現状を聞いたが、見渡してみると同じような顔ぶれのような気がした。少し前からこのような報告会や勉強会に参加しているが、平均年齢が高い! 退職されたような年齢の方が一番多いように見える。二十代から三十代前半より若い人が少ないのはとても残念だ。ま、僕も偉そうに言える立場ではないが、これを最後まで読んでくださった方は、こんな報告会のような機会があれば、一緒に行きませんか?

西谷さんは、10月からまたイラクやアフガニスタンに取材に行かれるそうだ。どうかご無事で行かれて、また報告を是非聞かせて欲しいものだ。