ミャンマー軍政下20年の真実~フォトジャーナリスト・再会の旅~

「私はただのビルマのシンボルに過ぎません。もしこの国を取材したいのなら、私ではなく普通の人々を取材して下さい」というスーチーさんの言葉で、宇田有三さんは、ビルマを隈なく歩き、軍政下に生きる民衆の中に入って取材しようと決心した。

そしてこの春、民主化に動き出したビルマを訪れ、今までは顔や名前を明かせなかった人々と再会する旅にでた。

日銭暮らしの漁師や服の仕立屋までが、熱く民主主義や人権を語るビルマの人たちが映し出される。そのために命をかけて戦い、何度も牢獄に囚われてきた人たちだ。そのビルマが今、民主化に動き出している。何度も騙され苦しめられてきた人たちだから、心の中では半信半疑かもしれないが、スーチーさんの登場に熱狂的になっている民衆たちがカメラの前に居た。

形骸化された民主主義の中でごまかされながら生きている私たち日本人にとっては、とても勇気づけられるものがある。僕たちはまだまだ頑張れるんだって。日本はどんどん右傾化はしているけど、まだ諦めたらだめなんだと。

宇田さんは、先週の講演会で「ビルマは見る人の目によって違ったものが見えてくる」と言っていた。そうなんだとしたら、この映像だけを見て、ビルマを分かった気にはなってはいけないだろう。宇田さんか玉本さんかがちらっと言っていたが、田舎のほうに行くと、スーチーさんのことに対しても醒めた目でみている人たちもいると。また、スーチーさんの発言では武力を否定しているわけでもないと。

そんなビルマを20年も追っている宇田さんは凄い人だなと思う。民主化になってしまったら、僕の出番はなくなるともおっしゃっていたが、政治は玉虫色だ。これからも取材を続けていろいろ教えて欲しいと思う。

http://www.asiapress.org/archives/2012/05/29125658.html