歌うシャイロック

感情を翻弄される快感、芝居ってええなぁ

気がふれてしまっても
父の大切なものを
無くしてしまったことだけを
心の傷に残して
街を彷徨う娘
父と再会しても
もう父とは認識できない
そんな娘を愛おしく
抱きしめるシャイロック

泣かされた

アントニオは憂鬱を抱えている、そんな嘆きから芝居は始まる。
もしかしたらその憂鬱は
パッサーニオへの友情を超えた同性愛からきているのだろうか。

あるいは自分もユダヤの血を引いていることを
隠し続けていることからきているのだろうか。

パッサーニオに無償の愛を捧げ、
そして同胞シャイロックからわが命を奪われることによって、
その憂鬱から解放されることを望んでいたとするのなら、
ポーシャはなんと余計なことをしたのであろう。

そのうえ、心までわかりあえていると思っていたパッサーニオの口から、
ユダヤ人に対する侮蔑の言葉を浴びせられ、
彼への愛も冷めてしまい
さらに憂鬱は増すばかり。

と、反芻しながら眠れない夜の興奮をなだめている。

高利貸しのユダヤ人シャイロックと
在日をだぶらせて描いていた。
シャイロックの心の叫びを聞いた。
気のふれてしまった娘とヴェニスを去る
シャイロックの最後の場面は、
焼肉ドラゴンの最後のシーンを彷彿させた。
全員が純白の衣装に着替えて、
とても美しいエンディングだった。